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成年後見制度に関連する委任契約

財産管理委任契約

成年後見制度は、判断能力の減退があった場合に利用できるものです。事前に契約を行う任意後見も同様に、判断能力の減退、さらに家庭裁判所により任意後見監督人が選任されてから初めて効力が生じます。

一方で、財産管理委任契約は、判断能力に関係なく、家庭裁判所の関与も必要とせずに、すみやかに財産管理を依頼したい場合に有効な方法です。

財産管理委任契約の特徴は、

  • 当事者間の合意のみで効力が生じる
  • 内容を自由に定めることができる

ということでしょう。

財産管理委任契約のメリット・デメリット
メリット■ 判断能力が不十分とはいえない場合でも利用できる
■ 開始時期や内容を自由に決められる
■ 本人の判断能力が減退しても、契約は当然には終了せず、特約で死後の処理を委任することも可能
デメリット■ 任意後見契約と異なり、必ずしも公正証書が作成されるわけではなく、後見制度のように法務局で登記がされないため、金融機関などの理解が十分とはいえない(公正証書にすることは可能)
■ 任意後見制度における任意後見監督人のような公的監督者がいないため、委任された人をチェックすることが難しい
■ 成年後見制度のような取消権はない

以上のことを理解した上で、財産管理委任契約の判断をしましょう。

死後事務委任契約

死後事務委任契約とは、葬儀や埋葬に関する事務を委託する契約のことです。
自身が亡くなると、相続手続き、相続財産の管理または処分、祭祀の承継等々、相続人や親族には多くの事務的な負担が発生します。
そのような問題を回避するために、有効な手段の一つです。

相続に関して、以下のようなことにお悩みではありませんか?

  • 独身なので、もしものときに頼れる家族がいない
  • 結婚はしたが、子どもがいない
  • 同世代の兄弟や親族に、後のことを託すのは不安
  • 親族と長年疎遠にしている
  • 遠方で暮らしている親族には負担をかけられない

このようなお悩みをお持ちの方は、死後事務委任契約を検討されるのも一つの方法です。

通常、ご自身が亡くなった後の手続きは、家族や親族が行ってくれます。
しかし、身近に頼れる方がいない場合、「誰かに頼む」というのは、簡単なことではありません。

将来、まわりに迷惑をかけたくないという方には、死後事務委任契約というサービスをお勧めいたします。

死後事務委任契約とは

委任者(本人)が受任者(自分以外の第三者)に対し、亡くなった後の諸手続、葬儀、納骨、埋葬に関する事務手続き等についての代理権を付与して、自身の死後の事務を委託する契約のことを「死後事務委任契約」といいます。

通常の委任契約というのは、原則として、委任者の死亡によって終了してしまいます。現行の成年後見制度も同様です。
しかし、委任契約の当事者である委任者と受任者との間で、「委任者の死亡によっても委任契約を終了させない」という特約を結ぶことができます。

この終了させない合意を行うことで、自身の死後も、受任者が死後事務委任契約に定められた事務を行うことができるようになります。

死後事務委任契約で注意すべきことは、あくまで「事務手続きの委任である」ということです。
「相続財産を■■に相続させる」といった内容は、事務手続きの委任ではないため「遺言書」として残さなくてはなりません。

逆に、遺言で葬儀や法要のやり方を指定する方もいらっしゃいますが、遺言は当事者の「契約」ではないため、事務契約に関する法的強制力はありません。
葬儀のやり方を具体的に指定したり、散骨等を埋葬の方式として採択する場合には、実際に埋葬を行うことになる方との話し合いや準備をしておくことが重要です。

死後に起こる相続、相続財産の管理または処分、そして、祭祀の承継に紛争を生じないようにするために死後事務委任契約は有効だと言われています。

死後の事務が確実に行われるようにするために、遺言で祭祀の主宰者を指定したり、遺言で遺言執行者を指定して、その遺言執行者との間で死後事務委任契約を交わし、死後事務の内容を生前に取り決めておく方法も考えられます。

契約内容の注意点

ここでは、トラブルを防ぐためにも費用の負担について、明確にしておく必要があります。
任意後見人・成年後見人等は、ご本人が死亡した時点でその職務が終了しますし、見まもり契約(※)のみの場合では、死後の事務を行う費用の取り決めがされないため、葬儀費用等の支払いを行うことができないこともあります。

また、遺言で祭祀の主宰者を指定し「遺言者の葬儀費用に充てるために、金○○円を預託してあり、それを使用してください」と明記することも可能です。

※見まもり契約とは、任意後見契約が生じるまでの間、定期的な訪問や面談等によって、ご本人の心身の健康状態を把握して見まもるためのものです。任意後見契約を開始する時期を見極めるためにも役立ちます。

亡くなった後の事務手続き
  • 委任者の生前に発生した債務の弁済
  • 委任者の死後の葬儀、埋葬もしくは永代供養に関する費用の支払い
  • 賃借建物の明け渡し、敷金もしくは入居一時金等の返還金の受領
  • 親族や関係者への連絡
  • 家財道具や生活用品の処分

このような事務を必要に応じて行うことも可能です。

「任意後見契約」「財産管理委任契約または見まもり契約」「死後事務委任契約」「公正証書遺言」とあわせて、死後事務委任契約を検討されることをお薦めいたします。

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